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明和9年(1772)3年間の江戸勤番を終え豊後関前に帰参した坂崎磐音(松坂桃李)ら3人の武士は幼馴染みだった。それぞれに妹と結婚したり磐音も許婚である小林奈緒芳根京子)に江戸からの土産の匂い袋を渡しに行き祝言を数日後に控えたある日刃傷沙汰に巻き込まれてしまう。脱藩した磐音は江戸へ流れつき鰻割きの仕事についていた。アマに流れ着いて鳥串を刺す映画もありましたが(笑)彼が割いたウナギは波打つことなく見事な切り方なのでかば焼きは綺麗に焼けて美味の定評がある。

大家が金兵衛(中村梅雀)長屋の家賃も滞納していたが人情に厚く、春風のように爽やかで、礼節を重んじる好青年の彼のために両替え商の用心棒を口利きするのだった。娘のおこん(木村文乃)も何かにつけ
彼の世話を好んでやるのだった。金兵衛は「まんざらでもないだろう」と娘に笑みを浮かべる。佐伯泰英原作、監督は「鴨川ホルモー」「超高速!参勤交代」などの本木克英なので殺陣や風景だけにこだわるスカスカの時代劇とはちょっと違って演出のセンスがいいです(笑)

日向ぼっこで居眠りをする老猫のように寝ているのか起きているのかわからない“居眠り剣法”の松坂くんのしなやかな殺陣も魅力です。こういった浪人モノの映画の場合今を描いてその数年前の出来事を振り返るみちのく海坂藩スタイルが多いのだが(笑)豊後小藩の今作は時代の流れのまま動いていくので遡らなくていいのと案外新鮮な手法なのです。九州大分近辺なので言葉も九州訛りですね(笑)主役もいいが
脇がすごっうまい。佐々木道場の佐々木玲圓(佐々木蔵之助)それに悪徳両替商「阿波屋」の有楽斎(柄

本明)なんて誰も感情移入しないでしょうね?(笑)それだけ柄本さんの演技はうまいな~☆ 磐音と奈緒のことを百も承知でおこんは磐音に早く豊前に帰ってあげてと立場を替えて待ってる女と行かせたくない女の気持ちを演じさせたら木村文乃はさすがです。ラストそうくるのか~伏線張ってましたものね。強いけど弱い男を演じた松坂くんは好演でした。ピエール〇が主演なら当然スルーしたはずですね。令和の幕開けになる少しウルっとする時代劇でした。エンドロールで流れる曲もよかったですね♪
  (☆4.60)